放射線医学総合研究所が、内閣府原子力被災者生活支援チームからの依頼を受けて、川内村と田村市と飯舘村で、個人線量計の実測値と航空機モニタリングから得られる推計値の違いなどを調査した報告書。調査結果では、線量場が面的に広がっている場所での個人線量計の測定値は、身体の遮蔽によって空間線量率の7割程度の数値になるとされた。
この報告書を巡っては、2014年3月に、原子力被災者生活支援チームが調査結果の公表を見送っていたこと、および個人線量の推計値を低く抑えようとした形跡があることなどが毎日新聞などの報道で明らかになり、原子力被災者生活支援チームは2014年4月に釈明会見を開いた。当時、原子力被災者生活支援チームは事務局30人のほぼ全員が経産省出向者だった。現在でも構成は大きく変わらない。
この報告書については、田村市都路地区の避難指示を解除した翌月、2014年4月に、報道を受けて原子力被災者生活支援チームが公表したが、公表資料は今回の開示資料のうち「目的」の項目にあった「政策的背景」が削除されている。
(「個人線量の特性に関する調査」報告書/HP内で検索すると出てくるが、原子力被災者生活支援チームの「原子力被災者生活支援チームからのお知らせ」からは抜け落ちている)
開示決定通知書等 | なし(探索中) |
開示請求者 | 木野龍逸 |
開示請求受付日 | 2014年 |
開示決定日 | 2014年12月 |
開示決定の番号 | |
文書名(概略) | 個人線量の特性に関する調査 |
文書作成年月日 | 2013年7月〜2014年3月 |
文書作成者(組織名) | 放射線医学総合研究所 |
ファイル数 | 17 |
メモ | 不開示部分はなし |
1)平成25年7月31日 東京電力(株)福島第一原子力発電所事故に係る個人線量の特性に関する調査について(協力依頼)
2)平成25年8月6日「国の線量調査事業への協力」に関する報告
3)平成25年8月12日 線量計測定試験に係る田村市都路地区での下見結果」/田村市都路地区での個人線量測定に係るパイロット調査(実施日:平成25年8月7日)
4)平成25年8月12日 帰還に向けた個人線量測定実証試験について(案)
6)平成25年9月10日 川内村における試験計画に関する資料
7)平成25年9月12日 個人線量測定実証試験結果のとりまとめについて/空間線量率測定値と個人線量計による測定値の比較及び見取り図
8)平成25年9月26日 「実施範囲」「iCRP74paragraph334, 335」/見取り図・写真に測定値が記載されたスライド
9)平成25年10月11日調査報告(中間報告書)
11)平成25年10月15日 調査報告/資料1~ 8(見取り図・写真に測定値が記載されたスライド)(川内村説明資料)
12)平成25年10月15日 調査報告/資料1~ 6(見取り図・写真に測定値が記載されたスライド)(田村市都路説明資料)
13)平成25年10月23日 個人被ばく線量推測等のスライド/線量計の測定値、線量率換算等のデータ及びスペクトル表
14)平成25年10月29日 福島県内の線量調査結果の取り纏め方針等/まとめの方向性等、JAEA計測機器校正施設における照射試験
15)平成25年10月31日 個人線量データ/川内村、田村市都路町、飯舘村の測定データ(見取り図・写真に測定値が記載されたスライド)/個人線量スペクトルサーベイデータ
16)平成25年11月7日 第4回期間に向けた安全・安心に関する検討チームプレゼン資料(内閣府支援チーム案)
17)平成25年11月8日 第4回期間に向けた安全・安心に関する検討チームプレゼン資料(NIRS&JAEAコメント)
21)平成25年3月20日 固人線量と空間線量の定量把握のための測定事業 最終報告書(案)
<以下については内容に重複などがあったため、開示の際に文書をコピーしなかった>
5)平成25年8月26日 帰還に向けた個人線量測定実証試験について<飯舘村説明資料・リスト4と同じ>
10)平成25年10月15日 調査報告/資料1~ 5(見取り図・写真に測定値が記載されたスライド)
18)平成25年11月13日 第4回期間に向けた安全・安心に関する検討チームプレゼン資料(NIRS&JAEAコメント)<リスト17と同じ>/個人線量計のBGに関する予備的な検討
19)平成25年12月25日 各自治体における測定対象地区の地図/職業別線量推計資料
20)平成25年1月22日 年間追加個人被ばく線量の推計/航空機モニタリングによる1m空間線量率推定値(第7次モニタリング結果)と実際に測定した1m空間線量率の対比