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私も「胃がん」になりました 第4回

ルポライター・明石昇二郎

【第4回】(最終回)

意外な「リスク要因」現る

 

病理検査の結果

 

明石が告知された病名「胃カルチノイド」にあります「カルチノイド」(Carcinoid)とは、直訳すると「がんもどき」となります。今では呼称が「神経内分泌腫瘍」(neuroendocrine tumor/neoplasm: NET)と改められていますが、内分泌細胞に由来する腫瘍のことです。本当の意味での「~もどき」であれば、全国がん登録で登録されることはありえませんが、神経内分泌腫瘍はきちんとがん登録されています。余談ですが、アップル社を設立した故スティーブ・ジョブズ氏が罹ったがんも、膵臓(すいぞう)の神経内分泌腫瘍だったとの情報もあります【注1】。

 

【注1】例えば次の記事などです。

https://japan.cnet.com/article/35008746/

 

他の悪性腫瘍と比べ、おとなしい腫瘍とされる神経内分泌腫瘍ですが、56歳という私の年齢の場合、放置すれば3年から5年で死亡するそうです。胃から肝臓などに遠隔転移する症例も少なくなく、明石の胃で見つかった神経内分泌腫瘍にしても、以前から付き合いのある大学病院で行なった病理検査(内視鏡検査)の結果、悪質度が中程度の「転移する」タイプであることがわかっていました。

この神経内分泌腫瘍は一般的ながんと比べ、症例数が大変少ないこともあって、まだまだ未解明な部分が多いようです。根治(こんち)(病気を根本から完全に治すこと)を目指す治療法は、今のところ「早期発見・早期患部切除手術」しかありません。「おとなしい腫瘍」とされているのに、抗がん剤が効かないのです。「おとなしい」という形容詞や「がんもどき」などという別名にそぐわない、悪質極まりないがんと言うほかありません。

多くのがんでは、治療計画を立てるため、がんの進行の度合い(病期、ステージ)を把握することが重要になります。しかし、神経内分泌腫瘍の治療は、がんのステージに基づくものではありません。私の場合も「ステージ××です」と告げられることはありませんでした。

従って治療計画も、「腫瘍が手術で切除できるかどうか」と「転移の有無」に応じて決められます。私が胃の2/3以上を摘出する手術を受けたA病院では、もし遠隔転移が見つかれば、その後はいわゆる「延命治療」に切り替えることになる、と説明されました。

何も手を打たなければ3年から5年で亡くなるし、切除手術を受けても他の臓器に転移していれば「延命治療」になる――。

こう書くと、全然救いのない病気のように見えますが、事実、転移していた場合の予後は、残念ながらあまりよくないようです。インターネットで検索すると、すでに転移した状態で神経内分泌腫瘍が見つかり、闘病している方々のブログやSNSがヒットしますが、その多くが「抗がん剤が効かない」ことを嘆いておられます。治療薬の効果は臨床試験(治験)において検証中であり、神経内分泌腫瘍を治すことができる抗がん剤の出現が切望されています。

さて、胃の患部を切除する手術を11月下旬に終えた私ですが、転移の有無が判明するまでには2週間ほどかかるとのことで、それまでの間、緊張を強いられる日々を送ることになりました。

そして12月某日。切除した胃の病理検査の結果が判明し、A病院まで聞きにいきました。

 

・腫瘍のタイプは、WHO分類で「NET―G2」。

NETは神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor)の略称です。

G2(grade2)は腫瘍の悪質度を示す基準のことで、放っておいたり発見が遅かったりすると転移するタイプを指します。執刀医のN医師によれば、この基準は軽い順にG1からG3まであり、G2は中くらいの悪質度を意味するそうです。N医師の話では、

「G1は転移の危険性がないか、極めて低い危険性のタイプで、G2は転移する危険性のあるタイプになります。G2とG3の間にはかなりの差があり、その悪質度の違いには雲泥の差があります。G1とG2は悪質度がそんなに高くありませんが、G3の悪質度は大変高い。明石さんの腫瘍のタイプはG2でした」

ということでした。

また、「Rindi」(リンディ)分類という別の基準もあって、胃にできた神経内分泌腫瘍は、発生の仕方によってタイプ1から3までに分類されるのだそうです。私の場合は、悪性度が高く、手術によって即座に腫瘍を取り除く必要のある「タイプ3」だと言われました。

 

・大きさは8mm×9mm。

2018年9月に大学病院で内視鏡検査を受けた際、腫瘍の大きさは6ミリ程度だと聞いていました。

「6ミリと2ミリのポリープが胃の襞(ひだ)の中にあり、ともに良性のようだけど、念のため6ミリのほうを病理検査に回します」

と、内視鏡検査の最中に医師が説明してくれたのですが、その良性と思われた「6ミリのポリープ」が、神経内分泌腫瘍でした。切除手術を受けるまでの3か月ほどの間に、2ミリほど大きくなっていたようです。

 

・リンパ節転移なし。

手術前、執刀医のN医師からは、

「明石さんの場合は、胃の周りにあるリンパ節の1個から数個に転移している可能性が、5%から10%くらいあります」

と説明されていました。

しかし、切除した胃についていた30数個のリンパ節の全てを検査したところ、転移はひとつもなかったそうです。転移の数や転移の仕方によっては最悪の場合、「延命治療」も覚悟しなければならなかっただけに、ホッと胸をなでおろしました。

「手術は成功しました。半年後と1年後に検査をしますが、基本的に治療は今日で終了となります」

そう言って微笑むN医師の顔が、まるで勧善懲悪ドラマのヒーローのように見えました。確定診断で神経内分泌腫瘍と告げられた際、最速のスケジュールで手術してくれるよう、その場で要望し、それを実行したことで、なんとか「根治治療」に間に合ったようです。N医師に心からの感謝とお礼を述べました。

ただ、気になることがひとつだけ、ありました。

 

発がんの原因は「薬の副作用」?

 

前述したように、「Rindi」分類で「タイプ3」と言われ、手術で胃の2/3以上を摘出したわけですが、N医師はその説明の際、一言

「明石さんは『高ガストリン血症』でした」

と、付け加えたのです。

初めて聞く医学の専門用語が登場してきて、その場で瞬時に理解することなど、とてもできません。さらに、その「高ガストリン血症」の値は「800pg/mL」だったというのですが、その平常値がどれくらいで、何百を超すと高いと判定されるのかも知りません。なので、素人向けにわかりやすく噛み砕いて解説してくれるようお願いしました。

私は10年ほど前から慢性的な逆流性食道炎になり、当初はT社製の錠剤を、そして5年ほど前からは同錠剤のジェネリック医薬品であるS社製の錠剤を毎朝1錠、服用していました。この情報は、手術前に「おくすり手帳」を添えてA病院側に伝えております。

胃酸の分泌を抑制するこれらの薬は「プロトン・ポンプ・インヒビター」(PPI)と言います。

N医師の話では、このPPIを長年服用していると高ガストリン血症になり、さらには胃の神経内分泌腫瘍をもたらす副作用が懸念されるとの指摘が、専門医の間である――というのです。もちろん、私にしてみれば初めて聞く話でした。今後、この未確定情報が懸念ではなく、事実と確認されれば、発がんの原因として被曝を疑うより、薬の副作用を疑ったほうがいいことになります。

「明石さんはジャーナリストだから、きっとご自分でも調べるんでしょうけど……」

と、N医師にも言われましたので、素人なりにこの「副作用」疑惑について、少し掘り下げて調べてみることにしました。

例えば【資料1】の「長期治療の逆流性食道炎(GERD)」(鈴木秀和・慶應義塾大学医学部医学教育統轄センター教授。https://www.google.com/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=3&ved=2ahUKEwjZ_tiKm8jfAhVOQd4KHYfuDygQFjACegQICBAC&url=https%3A%2F%2Fwww.kyorin-pharm.co.jp%2Fprodinfo%2Fuseful%2Fdoctorsalon%2Fupload_docs%2F170961-1-05.pdf&usg=AOvVaw1_ZvaVNP7OidFsFHdcEwdv)には、

「これまでにPPIによるNETの発生を明確に示した直接的な証拠は認められておらず、実際の臨床上ではそれほど大きな問題にはなっていません」

といった記述や、

「PPIを長期に使用中の、あるいは長期に使用した後の患者さんに胃カルチノイドなどのNETが診断された数例のケースレポートはあるようです。これについては、ケースレポートなので、PPIの使用と腫瘍発生との因果関係を直接的に証明できるものではありません

との記述があります(太ゴチックは筆者)。疑いは持たれているものの、決め手となる証拠はまだ何もないという見方です。

次に、【資料2】の「今日の臨床サポート 自己免疫性胃炎」(春間賢・川崎医科大学 総合医療センター教授、上村直実・国立国際医療研究センター国府台病院長。肩書は2016年当時。https://clinicalsup.jp/contentlist/241.html

を見てみます。表題にある「自己免疫性胃炎」は別名を「A型胃炎」といい、「Rindi」分類で「タイプ1」の神経内分泌腫瘍に特徴的にみられる症状です。A型胃炎についてこの資料では、

「胃体部の萎縮性胃炎であり、無酸症を来しているので胃癌、特に分化型胃癌や胃腺腫、胃過形成性ポリープ、また、高ガストリン血症による胃カルチノイドの合併に注意し、1年ごとに上部消化管内視鏡検査を行う」

と解説しています。

自己免疫性胃炎(A型胃炎)には治療法がありません。その上、合併症として胃がんや胃の神経内分泌腫瘍が挙げられています。自己免疫性胃炎自体は無症状とされ、悪性貧血や、タイプ1型の胃の神経内分泌腫瘍を精査している際に見つかることが多いのだそうです。

この【資料2】は、PPIと胃の神経内分泌腫瘍の関係を直接説明したものではありませんが、ここで紹介するのは、現段階で把握されている「胃の神経内分泌腫瘍」に関しての知見を整理するためです。

現在の知見から言えるのは、

・高ガストリン血症はPPIの長期服用によって発症するとされるが、同症は自己免疫性胃炎(A型胃炎)の一症状でもある

ということと、

・自己免疫性胃炎(A型胃炎)と、高ガストリン血症による胃の神経内分泌腫瘍(胃NET)の発症には、密接な関係がありそうだ

ということになります。PPIが神経内分泌腫瘍を直接引き起こすというより、間接的な関わりがありそうだ、ということのようです。従って【資料1】の医療情報が「直接的な証拠」はないと言っているのは、

〝PPIそのものに発がん性があるわけではない〟

という意味なのだと、私は理解しました。

【資料3】の「当院で経験したA型胃炎の4例」(川崎医学会誌。http://igakkai.kms-igakkai.com/wp/wp-content/uploads/2017/KMJ-J43(2)101.pdf)に載っている自己免疫性胃炎(A型胃炎)の4症例には、PPIを服用していて罹患したケースは含まれておりません。胃の神経内分泌腫瘍(胃NET)患者も1人いたとのことですが、その患者さんにしてもPPIを服用していなかったそうです。

この論文は、

「A型胃炎は胃癌や胃NETの発生母地でもある」

ことや、

「これまで本邦ではA型胃炎は稀な疾患とされてきたが,本邦のA型胃炎の頻度については全国的な疫学調査が行われていないため真の頻度は不明」

であることに触れつつ、自己免疫性胃炎(A型胃炎)は、

「決して稀な疾患ではないと考えられる」

としています。

【資料3】によれば、高ガストリン血症については明確な定義がまだ確立されていないのだそうです。ちなみにこの論文では、血清ガストリン値が700pg/mL 以上の症例を「高ガストリン血症」としています。先に触れましたとおり、私の血清ガストリン値は「800pg/mL」でした。

高ガストリン血症にしても自己免疫性胃炎(A型胃炎)にしても神経内分泌腫瘍(胃NET)にしても、実態がきちんと把握されていないために「稀な疾患」扱いを受けている恐れがあります。今こそ「全国がん登録」データによる検証が望まれます。

私のケースに話を戻します。私が罹ったのは、「Rindi」分類で「タイプ3」の神経内分泌腫瘍なので、A型胃炎ではありません。私の病理検査結果から窺い知れることを時系列に並べると、

①PPIを長年服用して高ガストリン血症を発症し、

②胃の神経内分泌腫瘍(胃NET)を発症した。

ということになります。

胃がんになるまで知らされなかった

「副作用疑惑」情報

胃酸の分泌を抑制する薬「プロトン・ポンプ・インヒビター」(PPI)には神経内分泌腫瘍を引き起こす副作用があるのではないかとの懸念は、科学者たちの研究対象にもなっている(写真は日本医科大学チームのもの)。

 

N医師によれば、PPIで高ガストリン血症になり、胃の神経内分泌腫瘍にもなった場合は、

「神経内分泌腫瘍が胃の中にたくさんできる」

とのことでした。

「明石さんの場合は、できたのが1つだけなので、どうもそれとは違うようですね」(N医師)

N医師は、神経内分泌腫瘍が胃にたくさんできていればPPIが原因として疑われると考えているようでした。しかし、1つだけの場合は何が原因と考えられるのかは、わからないそうです。がんの専門病院であるA病院でさえそうなのですから、私にできることと言えば、私の体からがんごと摘出された胃袋が今後の治療法開発と原因究明作業に役立つよう願うことくらいしかありません。

しかし、長年私が飲み続けていたPPIに重篤な副作用の疑惑が持ち上がっていることなど、自分が胃がんになるまで知る由もありませんでした。知っていれば、即座に服用を中止していたことでしょう【注2】。

 

【注2】怪我の功名とでも言いますか、私は手術で胃の2/3以上を摘出したことにより逆流性食道炎が〝完治〟してしまい、PPIを服用する必要がなくなりました。従って今ではPPIを飲んでおりません。

 

実は2年ほど前、PPIの服用をやめることを検討したことがあります。逆流性食道炎の症状が劇的に改善していたからでした。

逆流性食道炎になって以降、果汁100%のオレンジジュースを飲むとたちまち胃酸が上がってきて胸やけが起こり、苦しい思いをしていました。それはPPIを飲み始めても収まらなかったのですが、2年ほど前からは、オレンジジュースを飲んでもその症状が出なくなっていたのです。

ちょうどその頃、人間ドックを受診し、内視鏡検査の最中に改めて逆流性食道炎との指摘を受けたので、症状が改善しているのでPPIの服用をやめてもいいだろうかと医師に相談したところ、

「やめたらすぐ症状が再発するでしょう」

と言われたため、服用を続けていました。もし、この時にやめていれば……との思いが頭を過(よぎ)りました。

PPIにメリットがあるのは、自分の服用経験からもよくわかります。しかし、抗がん剤が効かず、根治を目指す治療法は「早期発見・早期患部切除手術」しかなく、遠隔転移が見つかれば「延命治療」になるという、恐ろしく重篤な副作用の疑惑が専門医の間で話題になっているのだとなれば、話は別です。

ともかく、私に該当しそうな胃がんの「リスク要因」がまたひとつ、増えてしまったようです。改めて整理しますと、私に該当しそうな胃がんの「リスク要因」は、次の5つになります。

 

①遺伝

②喫煙

③食塩摂取量

④被曝

⑤PPIの長期服用による副作用(疑惑)

 

2018年9月に大学病院で内視鏡検査を受けた際、ポリープが大小2つあったことは先に触れました。大きいほうが神経内分泌腫瘍だったわけですが、小さいほうに関しては特にN医師から言及がありませんでしたので、大学病院の見立てどおり、良性のポリープだったのでしょう。

悪性腫瘍が胃の中にたくさんできていたわけではないので、こうした病理検査の結果は私と私の家族にとって大変喜ばしいことなのですが、有効な抗がん剤がないほど未解明な部分が多い神経内分泌腫瘍のことですので、「できたのが1つだけ」であることをもって、PPIや高ガストリン血症とは無関係だと即断するのは早計と思われます。さらに、です。

早期に発見できたからこそ、たった1つで済んだのかもしれず、発見できないまま多くの時間が経過してしまった場合は、PPIが原因として疑われている他の症例と同様に、神経内分泌腫瘍が胃の中に多発していた――と考えることもできるでしょう。

ただ、それを実証するために、せっかく早く見つけた胃がんを、数が増えるまで放置するという人体実験をするわけにも参りません。第一、その〝実証実験〟の最中に胃に増えるだけでなく、他の臓器にまで転移してしまえば、それこそ取り返しのつかないことになります。

 

「全国がん登録」の出番

 

なぜ「明石さんの場合は、できたのが1つだけ」だったのか――。その理由はまだわかっておりません。原因究明作業に取り組んだことで、全く予想外の〝薬の副作用〟という可能性が浮上してきたわけですが、それによって、福島第一原発事故による被曝が原因である可能性が払拭された、とも考えておりません。ひょっとして「できたのが1つだけ」だったことと被曝には何らかの関連があるのかもしれません。

PPIの長期服用による副作用疑惑と、福島第一原発事故による被曝には、共通点があります。

「その対象者が膨大な数に上る」

ということです。

私がPPIのジェネリック医薬品を服用していたことからも想像がつくように、現在の日本で逆流性食道炎に悩まされている患者は膨大な数に上ると思われます【注3】。相当な数のニーズがあるからこそ、後発の廉価なジェネリック医薬品が登場してくるのです。

 

【注3】「日本人の1―2割が逆流性食道炎」という研究(「日経ビジネスオンライン」https://special.nikkeibp.co.jp/atcl/NBO/16p/110200077/?fbclid=IwAR1cgsHzWvmMV_B7iIEer_AeFMcypvq6eCBUhAsG_Gt4dT9ltt0am5yAiuY)や、「2016年度において、4つの代表的PPIの売上高合計は1822億円だった」とする情報(「MONEY VOICEhttps://www.mag2.com/p/money/290829?fbclid=IwAR3jErK2r5sZotZm_oqaIFS_zcL6MNv–crumj5TwIv_EDrxt92a-WngHTo)もあります。

 

一方、被曝による発がんですが、当連載の第1回でも触れましたように、2011年の福島第一原発事故発生時、日本国内に滞在していた人で、内部被曝や外部被曝と無縁で過ごすことができた人は皆無と言っていいでしょう(https://level7online.jp/?p=2044)。それは私にしても同じです。中でも、大事故を起こした原発に近いところにいた人や、避難が遅れた人ほど、健康面でのリスクは高まります。

メルトダウンを起こし、環境中に甚大な量の放射性物質を撒き散らした福島第一原発を抱える福島県では、2012年から2014年まで3年連続で胃がんが有意に多発しており、その3年間だけで7000人もの同県民が「がん登録」されています。公表されている「全国がん登録」データからは窺い知ることができませんが、この中にはPPIを長期服用していた人も含まれているかもしれません。

連載第2回で詳述しましたが、「全国がん登録」制度では、そのがんが発見された経緯や、がんの進展度に関する情報など、極めて詳細な情報まで登録されます(https://level7online.jp/?p=2053)。このデータを活用すれば、神経内分泌腫瘍に罹ってがん登録された患者のPPI服用の有無は、立ちどころに判明することでしょう。血税を投入して運用されている「全国がん登録」データとは、そうした使い方をすべきものだと私は考えます。

今こそ「全国がん登録」の出番です。「未解明」だとして白黒つけずに棚上げされている「疑惑のがんリスク要因」を、このまま放置していていいわけがありません。国民の財産である「全国がん登録」データを駆使し、一刻も早く事実を解明して、国民の健康を守ることに役立ててほしいと、心から願う次第です。

(了)

*注 初稿では、明石が罹った胃の神経内分泌腫瘍(胃NET)の「Rindi」分類を「タイプ1」としていましたが、その後の検査等で「タイプ3」であることがわかりましたので、訂正します(2019年2月20日)。

【レベル7編集部より】

ひとまずこの連載は今回で終了することとします。明石さんが原因究明作業に取り組んだ結果、連載開始時は全く予想もしていなかった〝薬の副作用疑惑〟まで浮かび上がってきたわけですが、この〝薬の副作用疑惑〟については、別の媒体で引き続き報告される予定です(媒体が決まり次第、当サイト上でもお知らせ致します)。

また、〝被曝と発がん〟の問題については、新しい情報が入り次第、当サイトで引き続きご報告致します。

 

当サイトでは、読者の皆様からの情報をお待ちしております。以下にこの連載記事のテーマ「被曝と発がん」に関するコメントフォームを設置しますので、ご利用いただけますと幸いです。匿名でもご利用いただけます。

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明石昇二郎

1987年に青森県六ヶ所村の核燃料サイクル基地計画のルポでデビュー。『朝日ジャーナル』ほか複数の週刊誌や月刊誌などに様々なテーマで執筆。テレビでも活動し、1994年、日本テレビ「ニッポン紛争地図」で民放連賞を受賞。著書に『刑事告発 東京電力―ルポ福島原発事故』(金曜日)ほか。

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